写真家 大塚雅貴さんを偲んで
2017.10.12 Update
2017年8月25日。
Foxfireフィールドスタッフで、写真家の大塚雅貴さんがお亡くなりになられました。
(享年49歳)
アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)東部のキサンガニ郊外で撮影中、折れた木の下敷きになり、病院に搬送され手当を受けるもその甲斐空しく息を引き取られたそうです。バイクで撮影地を移動中、美しい景色を見つけ撮影していた最中での事故。びっくりしたというか信じられない出来事にただただ胸が苦しくなりました。
サハラ砂漠など危険地帯によく取材に行かれていた大塚さん。最初は強盗に遭われてしまったのかと思いましたが、倒木事故とは、なんという運命なのでしょうか。
大塚さんとの出会いは、約15年前。当時、Foxfireフィールドスタッフ担当だった僕の印象は「素朴で実直な方」という印象でした。大塚さんには取材に行くたびに製品サポートをさせていただきました。最初の頃着用していただいたフォトベストを「着心地も良くて、レンズ交換と時にとても便利で凄くいいです!」と褒めてくださり、それから海外取材の時は、いつもベスト着用してくださいました。しかしある時、砂漠で盗賊に銃を向けられ身ぐるみ全部はがされてしまったことがありました。「また懲りずに撮影にいきます」と笑いながら、謝罪のため来社してくださった時は「なんとハートが強い方だ」と思い尊敬する一方で、なんだかおかしくて思わず笑ってしまったのを今でも覚えています。
出会った頃
その後、防虫素材スコーロンを使ったウエアのサポートをさせていただきました。僻地取材の多い大塚さんでしたので、マラリアなどの蚊が媒介する感染症にはいつも気を遣っておられました。取材に行く前には、必ず連絡をくださりサポート製品を吟味。そして帰国すると、フィールドインプレッション(レポート)を必ず書いて、その効果や自分の体験を丁寧に報告してくださいました。レポート以外にもいろんな話を聞かせてくださいました。「危険地域に行く時、軍隊を8人雇って取材をしたこと」「サハラ砂漠の原住民キャラバンと共に40日近く同行取材をしたこと」「アフリカはフランス語圏なので猛勉強していること」など・・・たくさんの面白いお話を淡々と微笑みながら聞かせてくださいました。僕は、どんどん大塚さんの魅力に引き込まれてゆきました。
Foxfireのロケカメラマンもしていただきました。場所は、北アルプス穂高連峰麓の涸沢。当時、山を歩けるアクティブなカメラマンを探していました。大塚さんは、山は未経験ながらも過酷な取材をされていらっしゃいましたのですぐに快諾。正直、慣れていなかったのもあり、思った以上にお疲れになってしまった様子でしたが、いざカメラを構えると今まで見たことがない高テンションで撮影。大塚さんの新たな一面とプロ魂をしっかり見せていただきました。その時の撮影していただいた写真は、今でもFoxfireのリーフレットなどに残され、僕にとっても素晴らしかったロケのひとつとなっています。
大塚さんは、いつも笑顔でニコニコしていました。
大塚さんは、いつも義理人情にあふれた人でした。
大塚さんは、いつも真面目でいつもお茶目でした。
今まで、危険地帯にいきトラブルを何度もくぐり抜け、身ぐるみはがされた時も生きて帰ってきました。今回のコンゴ取材でも防虫ウエアをサポートし、土産話を楽しみにしていたのに・・・そんな大塚さんが事故でお亡くなりになるとは残念でなりません。
大塚雅貴さん。
今までありがとうございました。
どうぞ、安からに。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
Foxfire営業担当 斉藤 彰